子供の教材

公文のメリット、問題点

私が子供の頃からあった、公文式。私はやっていなかったんですが、夫や、夫の友人の方々がやっていたので、子供にも習わせてみました。その中で私が感じた公文式のメリットと問題点をまとめてみたいと思います。

娘たちの公文の受講歴
7歳長女ー4歳からの3年間
3歳次女ー3か月

公文の良い点

その① 勉強の習慣が身につく。

公文は毎日、同じ分量の宿題をします。
例えば、国語5ページ、算数5ページなどです。
(10ページでスタートすると思いますが、難しいところまで来ると5ページになったり、負担になりすぎていると枚数を減らしたりしてくれます。)

毎日同じ分量に取り組むので、問題を解くのにかかる時間もだいたい同じくらいとなるため、勉強のリズムを作りやすいメリットがあります。
例えば、かかる時間がだいたい決まっているので、毎朝、起きてご飯を食べる前に公文をする、など、公文をする時間の定めやすさにもつながり、勉強の習慣をつけることにもつながります。

その② 公文は反復練習。段々と出来るようになる。

同じ分野で、とても簡単な問題から徐々に難しい問題へと反復しながら進んでいくので、自然とできるようになります。
できないところは、何度も何度もできるまですることになっているようで、間違えた問題を、何度も繰り返して同じプリントをすることで、徐々に間違えなくなっていきます。

その②の具体例ー3歳チビ 算数

3歳のちびちゃんが公文に入会した時は「1」以外、判別不可能な状態でした。
まず最初に1-10までの数を数えましょう、というところからスタートしますが、公文では問題文を必ず読むことになっています。

例えば、1-10までの数をゆびでさして、じゅんに数えましょう、
と書いてあるとして、それを毎回読んでからやらせると
1)1,2,3などは数字であること、
2)1,2,3,4,5,と読むことは「じゅんに」「順番に」読むことなのだということ、
3)数は「数える」ものなのだということ、
が覚えられます。

そして、付き合っている親も、数えている子供も飽き飽きするほどプリントをこなしていると、ある時1-10までしっかり数えられるようになっていることに気づきます。
しかも、数字を覚えるだけではなく、「ものを指さして数を数える」ことまで身につくわけです。

3か月経った今、1-100まで数えられるようになり、順番に数えなくて、抜き打ちで数字が書いてあっても、読めるようになりました。
また、しっかり読めるようになると、次は書く練習に移行しますが、まったく問題なく、最初からすらすらと書いていました。

とにかく、小さい子供には体で覚えさせるのが一番。
全くできないところからのスタートでも、一緒に1,2,3,,,いち、に、さん、、と唱えているうちに、自然と身につくのだ、数が数えられるようになるのだと言うことを間近で見ることができました。

その②の具体例ー3歳チビ 国語

国語は、始めた地点では、ひらがなで読めるものがおよそ半分くらい。でも、独立したひらがなとして認識するだけで、「うま」「うし」など、単語になると読めず、という段階でした。

公文では「うし」「うま」などの単語を読むトレーニングを
①絵が描いてある横に言葉が書いてあってそれを読む
②裏にひらがなだけ書いてあって、それを読む
という順番でしていきます。
また、同時に二語文の文章を読むことも同時に始めます。
「うしが あるく」などです。
これも上と全く同じ方法で練習します。

そして、これは教室によるかもしれませんが、
音読(2語文、3語文など、それぞれのカテゴリーの紙が50枚束になったもの)も同時に行います。

これも上と同様で
例)うまが走る絵が描いてあり、横に「うまが はしる」と文章も書いてあります。
これを毎日毎日延々と言います。
最初は親がまず読み、それを子供が復唱する。
段々と慣れてきたら、子供だけで言う。

50ページを5分で全て言えるようになるまで、続けますが、子供なので、最後は絵を見ると、そのページに何が書いてあったかを覚えてしまい、絵を見て言い出します。
ですが、それで良いのだそうです。

まずは、日本語としてよく使うフレーズを覚えさせたいのだそうで、
「さかなを つる」
「かめが およぐ」
「からすが なく」
など主語と述語で可能性のある組み合わせを覚えてしまうということなのだと思います。

3歳のちびは最初の音読50枚を最初は15分くらいかけて言っていたのに、
1か月経たないうちに、5分以内に言えるようになりました。
もちろん、全部裏表50枚のひらがなの2語文を読めたわけではありません。
絵をみて、「からすが とぶ」などと唱えていただけですが、そうこうしている間に、単語ならば「さくらんぼ」「きゅうきゅうしゃ」など割と長い単語も、すらすらと読めるようになりました。

長女には、ひらがなにすでに興味を持っているからと公文の国語を早くからはさせず、5歳位になるまで始めませんでした。すると、文章を読む力が足りない、文章をより早く、正確に読む力に欠けることが分かりました。勉強は算数でもほかの教科でも、文章を読む力が必須です。算数でも、文章を読み解けなければ、式を作ることさえできません。

長女に足りなかったのは、日本語を読む絶対量だったわけですが、多読を叶えるのは現実的にとても大変です。それも、初期段階にぴったりな日本語の本をたくさん見つけるのは至難の業と言って良いと思います。少し難しい絵本だと結局親が読み聞かせをしてしまう。3歳4歳になると「うまが はしる」のような本より、もっとストーリーがある本を読みたくなりますが、これを自分で読むのは非常に難しく、結局読み聞かせになってしまいます。でも、大切なのは、自分で読む力。これを叶えるのは多読以外ありません。

長女の教育において足りなかった、改善点があったとわかっていたため、次女には鉛筆が持てるようになったら、すぐに公文で国語を学習させたわけですが、早くにひらがなを覚えれば、早くにその独立したひらがなを単語として、音節として、短い文章として把握できるようになれば、自分で読書をスタートすることができ、これが今後続く勉強にも必ず優位に働くはずです。

実際、現在3歳10か月の次女は2語文の50ページ裏表と3語文の50ページ裏表を毎日唱えていますが、3語文になると「かもめが そらを とぶ」というように、「が」「は」「を」など助詞も多様に出てきて、それを唱えているうちに、自然と身につくのだと思います。

なんとか暗記させようとしても、子供には難しいですが、同じことを繰り返し繰り返しやって、体で覚えさせていく、これはまさに、ねんねだった赤ちゃんがはいはいをしておすわりをして、立って歩くようになる、という過程と非常に似ていて、幼児教育において非常に有効な方法だと思います。

その③ 計算が速くなる。

とにかく繰り返し計算問題を解くので、計算問題を解く量が増えれば増える程、計算力はつき、スピードも速くなります。当然新しい単元に行けば、難しくなり、スピードは落ちますが、その単元に慣れて、確信をもって解けるようになるまで、また延々と反復するので、どの単元においても計算力がつきます。

たくさんの計算問題を解くうちに、自分なりの数字の勘のようなものが養われていくのだと思います。

その④ 勉強に自信がつく。

公文をやってわかるのは、苦手な分野だけではありません。毎日習慣的に問題を解くうちに、それぞれの教科においての得意なところと難しいと感じるところが自分でわかるようになります。
例えば、掛け算は得意けど、割り算はまだ難しい、とか漢字は割と書けるけど、指示代名詞が指す言葉を見つけるのは難しいなどです。
得意なことが分かれば、自信につながりますし、不得意なことも自覚できて、トレーニングしていくうちに、前よりわかるようになった!と自分の感触がつかめれば、ぐっと大きな自信になります。

公文の問題点

その① 指導者に力量の差がある。

我が家では長女が公文を始めるにあたり、公文式の本部に問い合わせをしました。
近所に公文が複数あったため、どこに行くか迷ったからです。ですが、本部では、それぞれの先生の評判などは教えられない、先生の経歴、学歴なども開示できないということでした。

それで、一番近くの教室に行くことにしたんですが、割り算まで来た地点で、行き詰ってしまいました。公文は自主学習とのことでしたので、基本的に教室と本人に任せていましたが、割り算が良く分かっていないのではないかという疑問にぶつかりました。

子供本人に聞いても、先生はあまり説明してくれない、とのこと。そこで疑念を持って教室の様子を観察に行くと、わからなくなっている子にきちんと説明できていないことが私にもわかるほどでした。

驚いて、近所の公文式の教室全てを見学に行き、これまでの状況を正直に話すと、1人の先生から思いもしない指摘をもらうことになりました。それは、足し算も引き算もやり方が違うということでした。

公文では計算を早くするため、その確率性をあげるために、繰り上がりや繰り下がりは頭の中にメモしておいて、紙には実際は書かないのだそうです。
でも、長女はその地点で足し算も引き算も繰り上がりも繰り下がりも全て記載して解いていたわけです。

これは大問題との指摘を受け、その先生によくよくお話を聞いてみると、その時ついていた先生とは、公文のやり方に対しても、受験に対しても、とにかく情報量が段違いに違い、また、教育方針も非常に確固たるものがありました。

結局、長女は教室を変え、割り算までいっていたのに、足し算に戻り、繰り上がりや繰り下がりをメモしないで問題を解く方法を徹底するまでレビューすることになり、割り算に戻ってくるまでに半年ほどの時間を要してしまいました。

この辺り、本部からは定期的に教室の見学が行われており、どこの教室の先生が良いのか把握されているはずですが、情報はおりてきません。私たち保護者が自分で見抜く必要があります。

見抜く方法としては、公文には無料体験というものがありますので、これで体験をして、教室見学をするときに、
①質問がある子供、分からなくて困っている子供にどんな説明をしているのかを、しっかり聞くこと。
②教室の生徒がその先生に対してどのくらい意識が向かっているかを見定めること。
→公文には〇つけをするサポートをする人がいますが、やめた教室では、誰が代表の先生で誰が〇つけをする方なのか、一見してはわからないほど、皆さんが活躍している印象でした。
今お願いしている教室では、指導者はあくまでも代表の先生おひとり、〇つけをしてくれる方とは、はっきりと区別がありますし、子供たちも分からない時はすぐに代表の先生のところへいき、質問をしています。
③その先生は公文をどの位置づけとしているか、受験までのプランをどう考えているか、またそのプランはどうか。
この辺りを判断材料としてみると良いのではないかと思います。

その② 文章問題には取り組まない。

その③ 図形や単位の分野にも取り組まない。

②と③については別途トレーニングが必要になります。
公文で鍛えるのは計算力です。すでに式が出来ていて、それを計算する力を養います。しかし、試験では計算だけのシンプルな問題はその何割でもありません。文章を読み解いて、式を作り、答えを出す問題がほとんどです。この「式を作る」というところは完全に抜けていますので、必ず、別に勉強しなくてはなりません。

また図形の問題、dLやLなどの容量の問題、mm,cm,mなどの長さの問題も全く網羅されていません。単位をそろえてから計算することなど、非常に複雑でトレーニングが必要な分野も完全に抜けてしまいます。

つまり…

公文で1年生が終わった、2年生になった、3年の課程になったと言っても、1年生の勉強、2年生の勉強それぞれが、全部網羅されたわけではないのです。
公文で勉強したのは、計算のみ。その他のことについては、自宅で別途トレーニングする必要があることを忘れてはいけません。

何歳から始めるのが良いか?

これは上記しましたが、鉛筆が持てるようになったら、椅子に座って30分くらい何かに集中できるようになったら、なるべく早く始めるのが良いと思います。数字もひらがなも、早くに覚えてしまえば、基礎を早く知ってしまえば、どんどん応用して発展させることができます。

何でも必要に迫られてからするのは、焦りますし、出来なかった時に十分な時間も取れません。先手必勝で、先に取り組めば、学校での勉強が復習となり、よりきちんと定着させることにつながります。

私なりの結論

文章を読む力は何事においても、どの教科の勉強においても、とても大切な力です。なるべく早く初めて、自分で分を読む力を身につけ、読んでもらうのではなく「自分で読む」力を養いましょう。そのためには多読が必須。多読において公文は非常に有効であると思います。

また計算力もとても大切です。式が作れても最後の計算で間違えたり、時間をかけてしまっては、点数に結び付きません。受験ともなれば、スピードも必要ですので、もたもたと時間をかけて計算をしてはいられません。計算力をあげておくことは必ず大きな差を生むはずです。

子供の人生の段階において、必要になってからではなく、必要となる少し前に取り組み、アドバンテージを持って人生を進ませてあげたい、いつも自信をもって勉強に取り組めるようにしてあげたい、そう思います。

公文は勉強の習慣を身につける意味でもとても有効なものだと思います。どの教室に行くかには細心の注意をはらい、有意義な勉強ができると良いと思います!

しぇんこ

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