その1、その2の続きです。
本選びの参考にしていただけたら嬉しいです。
下記7冊の本の中で紹介されている本の中で重複している本が多数あることに気づき、それをまとめました。その1では全部の本から推薦されている本から4冊で推薦されている本についてご紹介し、その2ではこれらの本の中の3冊から推薦されている本、全37のうち20冊までをご紹介しました。
今回は、3冊から推薦されている本、後半の17冊についてご紹介します。
対象年齢が小さい本からご紹介しますが、本の対象年齢など、あってないようなものです。お子様の興味やその時の状況、成長段階に応じて変わると思いますので、そこはあまり気になさらずお読みください。
①「幼児教室ジャックが選んだ121冊」
②「公文推薦図書」ーそれぞれの段階で50冊ずつ、計650冊
③「フィンランドメソッドー子供が伸びる読書日記100冊」(未就学児)
④「フィンランドメソッドー100さつ読書日記」(4歳から小学生)
⑤「フィンランドメソッドー100冊読書日記(小学生3年生から)」
⑥「麻布学園教諭・中島克治著 小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚」223冊
⑦「麻布学園教諭・中島克治著 小学生のための読解力をつける魔法の本棚」170冊
なお、前回同様⑥と⑦の著者は同じなので、こちらは一冊として考えました。
Contents
- 3冊から推薦のあった本 全37冊(後半)
- くまのコールテンくん ドン・フリーマン作 偕成社
- おおきなかぶ トルストイ作 福音館書店
- ピーターのいす E.ジャック・キーツ作 偕成社
- しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ作 福音館書店
- こんとあき 林明子作 福音館書店
- まりーちゃんとひつじ フランソワーズ作 岩波書店
- しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男作 福音館書店
- きいろいばけつ もりやまみやこ作 あかね書房
- いたずらきかんしゃちゅうちゅう バージニア・リー・バートン作 福音館書店
- ろくべえまってろよ 灰谷健次郎作 文研出版
- おかえし 村山桂子作 福音館書店
- としょかんライオン ミシェル・ヌードセン作 岩波書店
- スイミー レオ・レオ二作 好学社
- スーホの白い馬 大塚勇三作 福音館書店
- モチモチの木 斎藤隆介作 岩波書店
- ちいさなモモちゃん 松谷みよ子作 講談社
- ごんぎつね 新美南吉作 偕成社
- まとめ
3冊から推薦のあった本 全37冊(後半)
くまのコールテンくん ドン・フリーマン作 偕成社
大きなデパートのおもちゃ売り場にいるくまのコールテンくん。ここではみんなが「だれかにうちにつれていってもらいたい」と思っています。ある日、ある女の子がコールテン君の前に立ち止まりますが、コールテン君のズボンのぼたんが外れているからと、女の子のお母さんに反対されます。そこで、コールテン君は夜中にボタンを探しにいくことを決意しますが…。
子供がお気に入りのぬいぐるみをずっとはなさないなんてこと、ありますよね。子供にとってのぬいぐるみは最初のお友達のようなものなのかもしれません。これは、女の子とコールテン君の出会いの物語。女の子の優しさが胸にじんわりと広がります。幼い子供用の本のような印象ですが、内容も深く、また字も小さく文章も長いので、小学校になってからで十分です。読み聞かせでも十分理解できる本なので、長く楽しめる一冊です。
対象年齢:3歳~1年生
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おおきなかぶ トルストイ作 福音館書店
小学一年生の教科書にも載っている不朽の名作。「うんとこしょ どっこいしょ」のフレーズが何度も出て来たり、場面展開もリズミカルで子供が余裕をもって楽しめる一冊。最後、おじいさん、おばあさん、女の子、、、とみんなが力を合わせてもなかなか抜けなかったかぶが、小さなねずみが手伝ったらポーンと抜けるのも愉快。
対象年齢:3歳~1年生
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ピーターのいす E.ジャック・キーツ作 偕成社
妹が生まれてから、次々と自分のものが妹に奪われていき、がしゃんと音をたてると赤ちゃんがいるからと怒られ。そんな時、自分が昔使っていた椅子を持って家の前に家出するピーター。でも、座ってみると、それはもう自分にはフィットしないことが分かり…。
下の子が産まれた時の上の子の気持ちは大人が想像する以上に葛藤していると思います。唯一のヒーローヒロインだったのが、そのアイドルの座を一瞬で奪われたかのような気持ちになり、頼られて嬉しいようなくすぐったいような気持ちと同時に寂しさも味わって。そんな上の子の葛藤や成長を見事に描いた作品。また、コラージュで表現している絵も魅力的です。
対象年齢:3歳~1年生
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しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ作 福音館書店
オリジナルの題名は「The Rabbits’ Wedding」。これが全てを表している、優しさに満ちた、きゅんきゅんくる絵本。結婚とか異性の誰かを好きという具体的なことが分からなくても、お友達や家族が大好きという気持ちは分かるので、なんとなくじんわりと感じられるはず。挿絵作家としても名高いガース・ウィリアムズの絵も素晴らしく、是非手に取りたい一冊。
対象年齢:年少~1年生
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こんとあき 林明子作 福音館書店
腕がほころびてしまった「こん」を直してもらうためにおばあちゃんの家に向かう「あき」と「こん」の物語。こんなに小さい子が一人で旅をするのも、ぬいぐるみが話すのも、なにもかもがファンタジックな世界。でも、ずっと保護者のポジションだった「こん」を最後は「あき」が必死で守ろうとして…。2人の友情、あきの成長を優しく描いた心に残る一冊。
対象年齢:年少~1年生
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まりーちゃんとひつじ フランソワーズ作 岩波書店
まりーちゃんという女の子とぱたぽんという名の羊が、木の下に座って、空想に満ちた話をしている楽しい一冊。詩のようなリズミカルなフレーズの繰り返しも楽しい。
対象年齢:年少~1年生
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しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男作 福音館書店
じぷたはある町のジープを改造した小さな消防車。その消防署にははしご車ののっぽくん、高圧車のぱんぷくん、救急車のいちもくさんがいました。おおきな火事にはこの3台がそろって出動するので、子どもたちにも大人気。じぷたはおおきな火事には出番がなく、いつもこの3台からバカにされていました。子どもたちもじぷたには見向きもしません。そんな時、隣村の山小屋で火事が起きます。けが人の報告はまだなく、はしご車では山に届かず、高圧者は道が狭くて行けない。じぷたに出動の命令が下り…。
1人1人個性があって、1人1人みんな違う。でも、それぞれにはその人にしかできない役割がある。そんなメッセージのある絵本。でも、そんな教訓めいた本ではなくて、じぷたの活躍が痛快。子供達もじぷたに感情移入して応援するはず。長年愛されている不朽の名作。
対象年齢:年少~1年生
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きいろいばけつ もりやまみやこ作 あかね書房
道にきいろいばけつが落ちていて、一週間経っても誰も取りにこなかったら自分のものにしょうと決めて、一週間わくわくしながら、その時をまっているきつね。でもちょうど一週間目のその日その場所に行ってみると、きいろいばけつはなくなっていて。その時きつねが言った言葉とは。
作者はあとがきで「きつねの子の記憶の中では、いつまでもぴかぴかで、まっ黄色の自分のバケツであり続けることでしょう。こののち、きつねの子が別の色のバケツを手に入れたとしても、もう黄色いバケツといっしょに過ごしたときほどの感動や喜びは持ち得ないと思います。おとなにとっては取るに足らないものでも、子どもは時として全宇宙を見ることがあります。そして、たとえ姿、形が似ていても、それをほかのものと代えることは出来ないのです。かけがえのないものは、いつの時でもたった一つしかないということを一番よくわかっているのは、ほんとうは幼い子どもであるのかも知れません。」と書いています。子供のピュアで清らかな心に満ちた一冊。
対象年齢:年少~1年生
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いたずらきかんしゃちゅうちゅう バージニア・リー・バートン作 福音館書店
機関車のちゅうちゅうはいつも、たくさんの人やたくさんの荷物を乗せ走ります。ある日、ひとりならもっとはやく走れるし、みんなの注目を集めることが出来ると考えます。ひとりで走り出したちゅうちゅう。でも、ルールを知らないちゅうちゅうは、踏み切りを無視し、跳ね橋を飛び越え、大きな駅の操車場を突っ切って走り、みんなを怒らせます。そしてついて、もう何年も使っていない古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまい…。
そんな時、ちゅうちゅうの機関士たちは、最新式の汽車に乗ってちゅうちゅうを探しています。
傍若無人で怖いもの知らずのちゅうちゅうは子供そのもの。心配して探し回る機関士はまるで周りの大人。子供の好奇心や冒険心を刺激すること間違いなしの一冊。
白黒で、素朴なタッチの挿絵が迫力満点。
対象年齢:年少~2年生
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ろくべえまってろよ 灰谷健次郎作 文研出版
深くて真っ暗の穴から「ろくべえ」の声がします。どうやら穴に落ちてしまったらしいろくべえをどうやったら助けられるのか、5人の小学1年生があれやこれやと考えます。大人に助けを求めるのか。大人は助けてくれるのか。はたまた小学生だけで助け出せるのか。
読んでいる子供達もハラハラドキドキ、ろくべえを心配したり何とかしようと頑張ったりする、この5人と気持ちを共有すること間違いなし!絵と文を楽しむ段階から物語を楽しむ段階への移行期の本としても最適な一冊。
対象年齢:年少~1年生
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おかえし 村山桂子作 福音館書店
タヌキの家の隣に引っ越しをしてきたキツネ。引っ越しのあいさつに贈り物をすると、そのおかえしに今度はキツネから贈り物が届き、、そのおかえしに今度はタヌキから贈り物がいき、、とエンドレスのおかえし合戦が始まります。どんどん贈り物をしてついに贈るものがなくなり、自分まで贈り物にして‥。と、愉快な展開に素直に笑える一冊。
対象年齢:年少~1年生
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としょかんライオン ミシェル・ヌードセン作 岩波書店
図書館を舞台にした、本好きの優しいライオンと、厳格な女性館長との心の交流を描いた一冊。「ルールは守らなくてはいけない」。でも、時に「ルールを守る」より大切なことがある、という、説明するには難しいことを自然と伝えてくれる一冊。挿絵のタッチが優しく、心が温かくなる絵本。長い本ですが、読み聞かせるなら、早い段階から楽しめる本です。
対象年齢:年少~1年生
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スイミー レオ・レオ二作 好学社
小学校2年生の教科書にも出てくる不朽の名作。小さい存在でもみんなで力を合わせれば大きな力となる、諦めずに勇気をもって立ち向かおうということを伝える一冊。海の中の様子を素朴な絵で描いた挿絵も魅力的。必ず読んでおきたい一冊。
対象年齢:年少~2年生
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スーホの白い馬 大塚勇三作 福音館書店
モンゴルの民族楽器、馬頭琴の由来となった哀しい物語。国際的に評価を得ている名作で日本では小学校2年生の教科書にも採用されています。
貧しいけれど、ひたむきで優しい「スーホ」の純粋な心、助けられた恩を忘れず最後まで従順だった「白い馬」の忠誠心、「スーホ」と「白い馬」の間にある強い絆、権力のある人の横暴さ非道さ、それによってかけがえのない暮らし、命が奪われる悲劇。モンゴルの壮大な自然を思わせる挿絵のダイナミックさ。是非本棚に置いておきたい一冊です。
対象年齢:年長~2年生
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モチモチの木 斎藤隆介作 岩波書店
豆太は夜中におトイレに一人ではいけない弱虫。でも、ある夜中、大好きなじいさまのために一人でお医者様を呼びに走り出します。本当の勇気とは何なのかを教えてくれる感動の一冊。挿絵が切り絵になっているのも見どころ。
対象年齢:年長~2年生
モチモチの木 amazon
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ちいさなモモちゃん 松谷みよ子作 講談社
元気でおしゃまなモモちゃんの誕生から3歳までを描いた一冊。成長童話の名作。
対象年齢:年長~3年生
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こちらは楽天ブックスでの取り扱いはありません。
ごんぎつね 新美南吉作 偕成社
病気の母親のために兵十が取ったウナギをいたずら心で逃がしてしまうキツネのごん。でも、後から、そのウナギが病気の母親のためだったことを知り、なんとか償いをしようとするのですが…。
とても哀しいお話。でも、是非読んでおきたい名作。
対象年齢:年長~3年生
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ごんぎつね 楽天
まとめ
いかがでしたか。
「ごんぎつね」は長女が年長の頃に読み聞かせましたが、悲しすぎて、長女には受け止めきれなかったようで、もう当分読んでほしくないと泣かれてしまいました。確かに、スーホの白い馬のように楽器に変貌を遂げるなどの、せめてもの救いがないので、本当に哀しみの深いところで終わってしまいます。読み聞かせの段階からこの本を手に取る時は、お子様のタイプにより時期を見定めてください。
この段階まで来ると、どの本を読み応えがあって、どの本も魅力的で甲乙つけがたい名作ぞろいですね。
個人的には、なぜ「おかえし」がここにランクインしたのか不思議にも感じますが、「おかえし」という日本の文化を楽しく描いているから、ということなのでしょうか。
このほかにも、小学校低学年のうちに是非読みたい本として、「かわいそうなぞう」があると思います。これは戦争の悲劇をこれから先読んでいく最初の一冊として、子供の心に素直にズンと入っていく、説明なく理解できる本で最適だと思います。
次の稿では、小学生中学年、高学年向けの本を紹介していきます。
しぇんこ
7歳と3歳の姉妹を持つアラフォー&ワーキングママです。
女の子育児をこよなく愛し、育児に仕事に家事にと奮闘中。
女の子育児ならではの悩み、4歳差ならではの悩みに向かい合い、研究の日々。
長女誕生以来、自分なりにこだわって調べてきたことを、育児に奮闘中のママへお届けしたいと思っています。
詳しい自己紹介、ブログを始めるきっかけは最初の投稿に書きました。
よろしければ、お読みくださいませ!
しぇんこ